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[書評]佐々木 俊尚「ウェアラブルは何を変えるのか?」

投稿日:2014年2月13日 更新日:

佐々木 俊尚さんの「ウェアラブルは何を変えるのか?」を読みました。
Kindleでリリースされた電子書籍です。

この本はこんな人向け

  • GoogleGlassやFuelBandなどのウェアラブルデバイスの今後に興味がある人
  • 今後、コンピュータは自分たちの生活をどのように変えていくか?に興味がある人
  • 近未来のUIがどうなるかワクワクしている人

Google Glassを筆頭に盛り上がるウェアラブルデバイス

本書の内容では、今話題のGoogle Glassを取り上げて、今後ウェアラブルがぼくたちの生活にどう侵入してくるか、ということが語られています。

そもそもウェアラブルデバイスが盛り上がってきている背景には「極小のモジュール」の存在があります。

二ミリ四方の大きさなのに、この中にプロセッサーやフラッシュメモリ、入出力制御など、コンピュータの基本要素がひと通り納められています。
極端な言い方をすれば、要するに一台のパソコンが二ミリ四方の大きさにおしこめられているということなのです。
このチップを使えば、将来は薬のように呑み込んで体内に送り込み、健康状態を監視したり薬品を放出するような超々小型デバイスを開発することも可能でしょう。
ウェアラブルデバイスならる、オーラル(経口)デバイスもあり得るということなのですね。

さすがに体内に埋め込むほどのレベルのデバイス出現までには時間がかかるでしょうが、時計、メガネ、ぐらいであれば現時点の技術レベルで容易に実現できるようです。

でも、佐々木さんの言うようにこのままどんどんチップのサイズが小さくなっていくのであれば、身体のさまさまな部分にデバイスを装着するウェアラブルが登場していくのは自然な流れかもしれません。

スマホとウェアラブルが補完しあう

スマホはCPUの性能が高く、大画面で多くの情報を処理できる。
ウェアラブルはCPU性能が低く、画面が小さく操作がしずらい。

というのが双方のUIの特徴です。

そこでスマホとウェアラブルの弱点を補完しあうような使い方がいまのスタンダードになっています。

さらにスマホは強力なCPUを搭載しており、画面サイズが大きく情報を多く表示することができ、タッチスクリーンを使った操作がしやすく文字入力も容易と、ウェアラブルの「画面が小さい」「操作がしにくい」「文字入力できない」といった欠点を全てカバーすることができます。

ウェアラブルと相互補完できるスマホがこれだけ普及したことこそが、最近のウェアラブルデバイスの可能性の浮上、ということでした。

ぼくも過去にJAWBON UPというウェアラブルを使っていました。
確かにウェアラブルに情報収拾をさせて、スマホアプリの大画面でデータを表示するという連携はウェアラブルの可能性を感じさせてくれる体験でした。

ブレスレットを装着して睡眠と運動を自動記録!ライフログガジェットのJAWBONE UPを買いました | Demiblog

本書にはもう1つ、興味を引く内容がありました。

最も理想的なUIは、存在を意識しないUIである

近年あった最も大きなUIの転換は、ガラケー→スマホではないでしょうか。

ガラケーのボタンを押す、というUIから、タッチスクリーンをタッチする、スライドする、という大きな転換がありました。

今では慣れてきたものの、当時はなかなか受け入れがたい人も多くいました。

もっとも理想的なUIは、「存在を意識しないUI」であると言われています。
これは料理を食べるときのナイフやフォーク、箸などのUIで考えればわかりやすいでしょう。
箸が使えなくてイライラしている間は、これは全然ダメなUIだなぁと感じてしまうでしょう。しかし日本人のように子供の頃から箸を使い慣れていれば、食事の時に箸の存在を意識することはほとんどありません。
意識していないにも関わらず、箸を自由自在につかいこなしてあらゆるおかずや汁物、ご飯をつまみ上げることができてしまっています。
「存在を意識しない箸」という強力なUIになっているわけです。

佐々木さんが書くように、究極のUIは意識しないUI、というものでした。

ウェアラブルデバイスがそれを実現するとすれば、メガネ型のウェアラブルを装着すれば、英字の看板を翻訳してくれる。

ショッピングセンターに着いたら、自分のよく買い物するブランドの店内へ案内してくれる。

車のなかでは、パワーウィンドウを手を上下させるだけで、開け閉めできる・・・・

ジェスチャーが究極のUIとなって生活のあらゆる面に侵入してきそうです。

近未来が、究極のUIで溢れていくようなイメージを持たせてくれる内容で、この未来を観るために長生きしたくなりますw

すんげーわくわくしますね。

エアコンの温度を下げたかったら、手をしたに仰いで、指をパッチンと鳴らしたらTVやPCが立ち上がったり・・・と。

タッチパネルなんて古いよね、という時代が。うほー。

まとめ

まとめると、「ウェアラブルは何を変えるのか?」にはこのようなことがかかれています。

  • ウェアラブルデバイスが普及する素地が出来てきた
  • ウェアラブルはまずヘルスケア関連から普及してくる
  • 日本にはウェアラブル時代に切り込める技術がたくさんある
  • 究極のUIはジェスチャー

これからの未来のIT、2020年ごろにどういう時代がくるかを教えてくれる1冊でした。
今のハイテク機器が陳腐に見えるほど、画期的な未来を予想させてくれる、わくわくしながら読めます!

ではまた!

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